夜、布団に入ってから時計の針が進む音だけが響く。

明日も仕事があるのに、早く寝なければいけないと思えば思うほど、脳がはっきりと覚醒していく。

睡眠障害を抱える方にとって、これほど孤独で苦しい時間はありません。

実は、眠ろうと努力すればするほど眠れなくなるのには、明確な理由があります。

それは、あなたの脳が眠りという自然な反応に対して、無意識にブレーキをかけてしまっているからです。

努力が逆効果になる睡眠障害のメカニズム

本来、睡眠は心身がリラックスした結果として自然に訪れるものです。

しかし、眠れない日々が続くと、脳は布団に入ることを戦いの時間のように学習してしまい、

早く寝なければ、という強い思いは、脳にとっては一種のプレッシャーや命令として伝わります。

すると脳は緊張状態を維持する交感神経を優位にしてしまい、リラックスとは真逆の状態を作り出してしまうのですね。

つまり、あなたが一生懸命に寝ようと努力すること自体が、脳に覚醒のスイッチを入れ続ける結果を招いてしまっています。

脳が夜を警戒モードと認識している可能性

また、睡眠障害が長期化している場合、脳の中で夜という時間帯そのものが警戒対象になっているケースが多く見受けられます。

今日もまた眠れないのではないかという予期不安が、無意識のうちに防衛本能を刺激してしまいます。

この状態になると、部屋を暗くしたり、アロマを焚いたりといった外側の工夫だけでは、脳の深い部分にある警戒モードを解くことが難しくなります。

何故かというと、脳は安全が確認されない限り、深い眠りという無防備な状態に移行することを許してくれないからです。

まずは寝るための努力を手放すことから

ですので、睡眠障害から抜け出すためにまず必要なのは、寝るために何かを頑張るのをやめることです。

今のあなたの脳は、いわばアクセルとブレーキを同時に踏み込んでいるような、非常に疲れる状態。

大切なのは、気合で眠ろうとすることではなく、脳に安心という信号を送り、自然にスイッチがオフになる環境を整えてあげることです。

次回の内容:羊を数えても眠れない本当の理由

頭の中が考え事でいっぱいで、静かなはずの夜なのに脳内だけが騒がしい。

そんな経験はありませんか?

それは脳が物理的に熱を持っているオーバーヒートの状態かもしれません。

次回の記事では、自律神経が夜モードに切り替わらない脳の仕組みと、その熱を冷ますための考え方について詳しくお伝えします。