「お風呂でしっかり温まったのに、布団に入ると目が冴えてしまう」……そんな方も多くいます。

実は、人の体には「上がった体温が下がるときに強い眠気が訪れる」という性質があります。

このメカニズムを最大限に活かすには、入浴の時間と温度を戦略的にコントロールすることが不可欠です。

今回は、科学的根拠に基づいた「最強の入浴術」を解説します。

キーワードは深部体温

私たちの体は、脳や内臓の温度である「深部体温」が下がることで、深い眠りに入ることができます。

入浴には、この体温の変化を押し上げる役割があります。

  • 一時的に上げる:お風呂で深部体温を意図的に0.5度〜1度ほど上げます。
  • 急降下させる:上がった体温は、その後元の温度に戻ろうと急激に下がります。この「急降下」のタイミングで、強力な眠気が引き起こされます。

理想のタイミングは寝る90分前

なぜ「90分前」なのか?と思うかもしれませんが、それは、一時的に上がった深部体温が元の温度に戻り、さらに眠りに適した温度まで下がるのにかかる時間が約90分だからです。

タイミング 睡眠への影響
寝る直前 深部体温が高すぎて、脳が覚醒してしまい寝付けない(NG)。
寝る90分前 体温が急降下するタイミングと就寝が重なり、即入眠できる(理想)。
寝る3時間前 体温が下がりきってしまい、入眠効果は薄れる。

眠りの質を上げるお風呂の入り方

タイミングだけでなく、お湯の温度や浸かり方も重要です。

お湯の温度は「40度前後」

42度以上の熱すぎるお湯は交感神経を刺激して目が冴えてしまいます。

じんわり汗ばむ程度の「ぬるま湯」がベストです。

入浴時間は「15分程度」

深部体温をしっかり上げるには、15分程度の全身浴が推奨されます。長湯しすぎると体力が消耗してしまいます。

入浴後は「手足を冷やさない」

手足から熱を逃がすことで深部体温が下がります。

靴下でガチガチに固めず、通気性の良いパジャマなどを着る。

就寝90分前にお風呂から上がる

睡眠は、布団に入る瞬間に始まるのではありません。「就寝90分前にお風呂から上がる」という準備こそが、深い眠りへの道筋になります。

今夜は、寝たい時間から逆算してお風呂を沸かしてみてください。